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資格取得応援ブログです。自身で独学して取得した資格について経験談や勉強方法について解説します。また、ファイナンシャルプランナー資格を活かし、お金に関する記事も書きたいと思っています。

【自主保全士は簡単!】独学で取るための試験傾向分析と対策

自主保全士って役に立つの?難易度は?どのくらい勉強すれば取れるの?オススメのテキスト、参考書、問題集は?など自分の経験を元に自主保全士1級、2級取得について解説します。
【目次】

資格概要
試験種別
 自主保全士 1級、2級
受験資格
 ・1級・・・実務経験4年以上
 ・2級・・・実務経験0年(誰でも受験可能)
試験日程
 毎年10月
受験手数料
 ・1級・・・8,800円(税込)
 ・2級・・・6,600円(税込)
受験者数
 ・1級・・・約4,300人
 ・2級・・・約9,300人
受験科目
 ①学科試験(正誤○×判定)
 ②実技試験(多肢選択式+記述式(1級))
合格基準
 学科、実技試験ともに75%以上
合格率
 ・1級・・・約40%
 ・2級・・・約63%
難易度
 易

※自主保全士は通信教育を受講し、一定の基準を満たすことでも認定されます。今回は検定試験を受験しての自主保全士取得について解説いたします。

どんな資格?

この資格でできること

自主保全士とは、免許ではなく検定試験なので(法的に)この資格がなくてはできないという仕事はありません。しかしながら、検定試験は生産設備等の自主保全について必要な「4つの能力」「5つの知識・技能」(※詳細は下記)を問う問題が出題され、合格し「自主保全士」を獲得することで、“設備に強いオペレーター”として認定されます。生産に携わっている方や管理、マネジメントをする方やこれから就活・転職活動する方は、この認定を受けていることにより「設備保全の知識を有している」とアピールすることができます。

自主保全に関する「4つの能力」
■異常発見能力
異常を異常として見る目を持っていること
■処置・回復能力
異常に対して正しい処置が迅速にできること
■条件設定能力
正常や異常の判定基準を定量的に決められること
■維持管理能力
決めたルールをきちんと守れること

現場管理に関する「5つの知識・技能」
■生産の基本
■設備の日常保全(自主保全全般)
■効率化の考え方とロスの捉え方
■改善・解析の知識
■設備保全の基礎

資格の種類

自主保全士は1級、2級の二つがあり役割と求められる能力は下記の通りです。
■1級
職場チーム(小集団)における中心的、リーダー的な存在となり、自主保全を展開する上での計画・立案と実践指導ができる

■2級
製造(生産)に関わる部門の一員として、自身の業務に従事しながら、自らが関わる設備や工程・作業について自主保全を実践できる

要するに、1級はリーダー、2級は課員という感じですね。
試験の難易度はそこまで大きく変わりません。せっかくなので1級を目指すことをお薦めします。

合格率と難易度は? 試験の詳細情報

※自主保全士は検定試験の合格又は通信教育の修了のいずれかで認定を受けることができます。今回の記事は検定試験について解説いたします。

受験資格

検定試験受験には、試験当日までに以下の実務経験が必要です。(他、学歴等の条件はありません)
1級・・・4年以上
2級・・・0年(だれでも受験できる)

実務経験は「生産・製造・保全などの業務に直接従事した場合のほか、スタッフとしてこれらの業務を支援した場合も含みます。過去の実務経験年数を合算することもできます 。」とあり、自己申告です。会社の証明書などはいりません。製造等の仕事になんらかの形で通算4年以上携わっていれば受験できます。

合格率と難易度

直近5年の受験データをまとめました。
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合格率は1級で32~55%、2級で51~66%程度です。
資格試験の中では非常に高い合格率であり、難易度は高くありません。
問題はそれほど難しくなく、しっかり勉強すればちゃんと解けます

受験科目と攻略方法

試験は、学科試験、実技試験ともにペーパー試験で実施します。

出題形式と問題数は下表のとおりです。
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合格基準は、1・2級共通で、
「学科・実技それぞれ100点満点中、いずれも75点以上」です。
75%以上正解しなくてはいけないので、ぱっと見は難しそうですが、勉強すれば十分対応できます。

勉強方法は?

出題傾向

公式の案内には、以下の科目が出題されるとあります。

出題科目
科目1:生産の基本
科目2:設備の日常保全(自主保全全般)
科目3:効率化の考え方とロスの捉え方
科目4:改善・解析の知識
科目5:設備保全の基礎

各科目にはさらに細目があり、1級はその詳細、2級は概略を問う
という形で級の難易度が変わってきています。

この試験科目の中で、
学科試験・・・一問一答の○×問題
実技試験・・・選択式穴埋めや計算問題
が出題されます。
実技試験は学科試験の知識を応用した問題が出題されるため、学科試験である程度知識をつけてからでないと実技試験は解けません

また、学科試験は100問出題されるため各科目の細目万遍なく出題されますが、
実技試験は10課題程度しか出題されないため勉強してない分野が出題されると点数が取れません。
しかし安心してください。実技試験は試験前に課題が公表され今年出題する分野がわかります。

独学と通信講座

自主保全士の検定試験対策としての民間通信講座はありません。(※執筆時、筆者調べ)
そもそも、自主保全士を主催している日本プラントメンテナンス協会自体が通信教育を開催していて、修了すれば自主保全士の認定を受けることができます。
試験を受けたくない!という方は通信教育経由で認定を受ける道(通信教育の中で認定試験を受ける必要があります)もありますが、コスパの観点から本を買い独学で勉強し、検定試験を受け認定を受けることをお薦めします。

独学の勉強方法とおすすめ教材

自主保全士は試験は難しい試験ではないので、勉強時間40時間くらいあれば十分対策できます。
勉強方法は、「ひたすら問題を解きわからないところはテキストで学ぶ。」に付きます。

私の勉強方法をご紹介します。

①問題集(学科、実技)、テキストを揃え、まず一周読む。・・・5時間
自主保全士の問題集・テキストは以下のもの以外、ほぼ種類がないため、迷わずこちらを購入。
まずは、どんなことを学ぶのか軽く流し読み。

②学科の問題集を何周も解く・・・20時間
学科試験がわからないと実技は対応できないと知り、まずは学科試験から勉強することに。
学科試験の問題集の解説やテキストを見ながら、8割くらいできるようになるまで何周も解く。

③実技の問題集を何周も解く・・・10時間
実技試験の問題集も解けるようになるまで何周も解く。もちろん、並行して学科の完成度も高める。

④問題集についている過去問を解く・・・2時間
問題集に過去問が収載されているので解いて実力を把握。苦手分野がわかる。

⑤苦手分野の復習・・・3時間
過去問でわからなかった問題を中心に、苦手分野を復習。

以上が私の勉強方法です。平日一日1時間の2か月弱で取得しました。

ちなみに、各科目で出題される内容は以下のようになっていて、その人の経験によって各科目の難易度が違ってきます。ポイントとなる単語を並べてみたので参考にしてみてください。

科目1.生産の基本
管理図、工程能力指数、5S、ヒヤリハットフールプルーフ・フェイルセーフ、KYT、ISO、PDCA
など、基本的な用語の理解を問う問題。理系の仕事に携わっていればすでに知っていることが多い。

科目2.設備の日常点検
自主保全仮基準書、ワンポイントレッスン、TPM、エフ、チョコ停
など、自主保全に関する知識を問う問題。普段から生産に携わっていれば理解しやすい。

科目3.効率化の考え方とロスの捉え方
TBM、CBM、MTBF、NTTR、4M、PQCDSME、総合効率、5大ロス、
など、時間や効率に関する知識を問う問題。実技試験で計算問題として出題される。覚えてしまえば単純だが、覚えるまでに時間がかかる。

科目4.改善・解析の知識
PM分析、IE手法、QC、FTA、FMTA、ECRS
など、解析や分析に関する手法に関する知識を問う問題。アルファベットばかりで普段携わっていないととっつきにくい。

科目5.設備保全の基礎
素材(ステンレス、銅、炭素鋼、アルミ、グリース、潤滑油、ゴム等)の特徴、工具、回路、油圧、空気圧、計量器、駆動等の特徴、
などの知識を問う問題。知っている人は簡単、知らない人はややこしい暗記問題。

まとめ

いかがでしょうか。今回は自主保全士試験について解説いたしました。
自主保全士は、普段から仕事で携わっていれば難易度が低く、取得しやすい資格です。
ぜひ挑戦してみてください。

 

※今回記載した出題傾向は記事執筆時のものです。今後出題傾向が大きく変わる可能性があります。